術前検査編 血圧を測る 〜 親知らずの抜歯の体験談【第5話】

初めて親知らずの抜歯を経験する方向けに、当サイトの運営委員会が実際に体験した、親知らずの抜歯の体験談の実録・第5話。
[この記事の公開日:2021/1/7]
※第4話の記事はこちらから 術前検査編 採血(血液検査) 親知らずの抜歯の体験談【第4話】
前回まで(第4話)のあらすじ
親知らずの激しい痛みに見舞われた筆者は、大病院での親知らずの抜歯手術を決意する。
ドクター「親知らずの抜歯ね。大丈夫だよ。それでは、そもそも手術をしてよい体質かどうか、歯の状況はどんな具合か、それを知るためにまずは術前検査を受けようか」。
採血、MRI、レントゲン、生理検査室…そして歯科。
5工程にわたり、大病院をめぐる術前検査が始まった。
処置室へ ~ 血圧の測定
ロビーソファーで待つこと20分。
看護師さんに呼ばれ処置室に入る。
20畳ほどの室内に、仕切りカーテンのあるベッドが3台。
2台は、点滴を受けているおばあさん、血圧を測る恰幅のよいおじいさん。
1台は空いている。急患時などの予備だろうか。
濃紺(ネイビー)の着衣の看護師さんが2名、白い着衣の看護師さんが1名。
てきぱきと対応しており、すこし不謹慎だけれど野戦病院を想像する。
着衣が濃紺(ネイビー)の看護師さんがいるのはどうして?
ところで、ここ1,2年で着衣が濃紺(ネイビー)の看護師さんをよくみかけるようになったと感じます。
昔は看護師さんといえば白やピンクの着衣(ナース服)が多かったのですが、濃紺(ネイビー)の着衣が増えたのはどうしてでしょうか。
その理由は、「白衣=医師・医療現場」という連想から緊張してしまう患者さんに配慮するためといわれています。
血圧の測定時に、緊張して血圧が一時的に高くなってしまう「白衣現象」というものがあり、血圧を測る看護師さんは濃紺(ネイビー)の服を着るようになったそうです。
また、医師も、白衣でなく濃紺の「スクラブ(手術衣)」や「ケーシー(医療現場用のユニフォーム)」を着る方が、増えているように思います。
なお、余談ですが、濃紺(ネイビー)が持つ色の印象としては「爽やか、誠実、落ち着いた雰囲気」といった、人に安心感を与える色彩の作用があるといわれています。
血圧を測る
ベッドに囲まれるようにして、部屋の中央に処置用の机。
看護師さんと机を挟んで座り、まず血圧を測る。
やや低血圧気味だが、正常範囲内に治まる。
因みに、血圧には「診察室血圧」「家庭血圧」の2種類があります。
「診察室血圧」は病院で測る血圧です。前述した緊張などで一時的に血圧が上がる事態を加味し、家庭で測る「家庭血圧」より5mmHg(ミリ水銀)高い値で正常値・異常値の範囲が規定されています。
血圧の正常値と、高血圧など注意が必要な値は?
■75歳未満の方
正常値
・診察室血圧:上(最高血圧)が140、下(最低血圧)が90未満
・家庭血圧:上が135、下が85未満
※筆者は語呂合わせで「石おー食お(140~90)」と無理やり覚えています。
■75歳以上の方
・診察室血圧:上が150、下が90未満
・家庭血圧:上が140、下が85未満
正常値の範囲から上下ともに高い値になると「高血圧」となり、脳出血、心臓病、腎臓病、動脈硬化などのリスクがあります。
低い値となると「低血圧」となり、立ち眩みやめまい、頭痛、慢性的な疲労感、肩こりなどの症状が現れやすくなるといわれています。
高血圧を予防するには?
高血圧の予防に効果があるといわれているものをご紹介します。
・塩分を控える(1日6g未満が理想)
・食生活を改善する(野菜・海藻・牛乳などからミネラル成分やカルシウムを摂取)
・適度な運動(1日30分程度の軽く汗ばむ程度の運動。週に3日以上)
・お酒は適量に(男性で日本酒1合、ビールなら中ビン1本、焼酎なら半合弱、ウイスキーなら80ml。女性は男性の半分~3分の2程度の量)
・禁煙(血圧が一時的に上昇する。動脈硬化のリスクがある)
・脱水症状に気をつけ、水分をこまめに補給する(動脈硬化で高血圧の場合、血管の詰まるリスクがある)
・暖かい場所から寒い場所へ急に移動しない(冬場の屋内と屋外、お風呂場など。寒い場所に移動すると、身体を温めようと急激に血圧が上昇する)
低血圧を予防するには?
低血圧症は遺伝的な要因もあるといわれていますが、低血圧の予防に効果があるといわれているものをご紹介します。
・十分な睡眠(6時間以上)
・適度な運動(ストレッチや散歩などでも可、継続できるもの)
・日光を浴びる(1日15分以上。体内時計のリズムを整える)
・体を冷やさない
ポイントは「身体をほぐして、温めて、よく寝る」こと。
(筆者は低血圧気味なのですが、6時間眠れた時とそうでない時では翌日の体調が違います...。)
第5話 まとめ & 続きます
「血圧」と「親知らずの歯の治療」一見関係ないように見えて、抜歯手術の術前検査として大きなつながりが。
今回、血圧についても諸々とまとめていますので、これから親知らずの抜歯に挑もうとしている方、それから血圧について分かりやすく簡潔に知りたい方、参考に頂けたら幸いです。
(みなさまの体験談も、ぜひ各歯医者さんのページから口コミ情報としてお寄せ頂けたら幸いです ^^)
次回へ続きます。
※続き(第6話)の記事はこちらから 親知らずの抜歯の体験談【第6話・筆者実録】