腐った歯とセカンドオピニオン 〜 親知らずの抜歯の体験談【第1話】

ある日突然、親知らずが急に痛み出し、寝る時も痛み止めなしではいられなくなり、ついに抜歯を決意しました。
でも初めての親知らずの抜歯っていろいろと不安もあるもの。
このページでは、初めて親知らずの抜歯を経験する方向けに、当サイトの運営委員会が実際に体験した、親知らずの抜歯の体験談を掲載しています。
[この記事の公開日:2021/1/2]
左下の奥歯が痛み出す
とある雨の日に、左下の奥歯が痛み出す。
虫歯かと思いかかりつけである街の小さな歯医者さんへ。
レントゲンで検査をしてもらったところ、横倒しになった親知らずが、左下の奥歯を押しているのが原因ではといわれる。
しかもこの親知らず、歯茎に完全に埋没している親知らずであり、抜歯には歯茎を切開しての手術が必要とのこと。
痛みの原因は、埋没した親知らずが隣の「腐った歯」を押していた
原因となっている親知らずを抜いたほうが良いのか相談したところ、その親知らずはあごの太い神経と近い位置にあり、手術で抜歯するには結構難易度が高いとのこと。
また、親知らずの隣の歯が腐ってきており(これも痛みの原因)あごの骨が溶けてしまっていると。
さらに、筆者のケースでは、腐ってきている歯の隣の奥歯はすでに一本虫歯で抜いており、左の奥歯は一本足りない状態。
つまり、「埋没した親知らず、腐った奥歯、すでに抜き取り済みの歯の穴」というのが筆者の左の口の奥の状況。
腐った歯を抜くか?親知らずを抜くか?
ここで歯医者さんからは、治療に際し二択を迫られる。
(1). 親知らずは抜かないで、腐った歯を抜く
(この場合、親知らずが腐った歯を押すことがないので、痛みはなくなる)
(2). 大きな病院で親知らずを抜歯する
(この場合、かかりつけの街の歯科では、親知らずの手術は担当しておらず、大きな病院への紹介状を書いてもらうことになる)
おすすめされたのは(1)の「親知らずは抜かずに、腐った歯を抜歯してすませる」方法。
しかし、筆者の場合(1)を選択すると、すでに左奥の歯が1本ないので、部分入れ歯かインプラント(差し歯)を抜いた歯の代わりにあつらえることに。
その場では即断できず、痛み止めをもらっていったん帰宅。
ネットで調べまくる
痛み止めのおかげで夜は多少眠れるようになったものの、痛みがときおり訪れる状況が続く。
特に疲れていると、ひどく痛む。
「この痛みが治まるなら、もう入れ歯でも良いかな」と思ってしまうくらい。
色々と痛みの原因や、腐った歯を抜歯しなくても済む方法はないかとネットで探るも、満足のいく検索結果はでてこない。
痛み止めが効かないくらいの鋭い痛み
そうこうしているうち(2日ほどたったころだろうか)、痛み止めが効かないくらいの鋭い痛み。
しかも、かかりつけの街の歯医者はその日は休診日。
そこで、急遽、一駅隣の別の歯医者さんへ。
「抜歯・親知らずの手術も対応している」とホームページに記載があったので、可能であればその日のうちに抜いてもらえないかとダメ元で往診を予約。
・私(電話口)「これから伺いたいのですが、大丈夫でしょうか? 可能であれば、抜歯もお願いしたいのですが」
・受付の方「大丈夫ですよ。ただ、抜歯に関しては先生に診断してもらわないと」
運よく当日に診てもらえることになり、そのまま歯医者へ。
セカンドオピニオン
小さいころにかかった歯医者さんから、「歯医者は、かけもちされては困るんだよ。そう決まっているんだ。」といわれていたのを思い出す。
今から考えてみれば、そんなことは全くないと思うのだが、小さいころにかかった歯医者さんはどういった意図でそんなことを言ったのだろうか。
今は「セカンドオピニオン(別の意見・別の専門家による診断)」という言葉も広く普及して、複数の歯医者さんやお医者さんに診てもらう事も少なくない。
一つ駅むこうの歯医者につくと、再びレントゲンの撮影と問診。
診断結果はかかりつけの歯医者さんと同じ。
おすすめされた治療は、「親知らずを抜いて、腐った歯も抜いたほうが良い」の一択。
そしてその場合は、やはり左の奥歯は入れ歯かインプラント(差し歯)にするとのこと。
できれば入れ歯にはしたくない
なんとか入れ歯にしない方法はないかと相談するも、よい回答は得られず。
ここで9割方、「親知らずと腐った歯の両方を抜いて、痛みから解放される」この提案を受け入れつつあったが、いずれにせよ手術するなら別の日取りが必要とのことで、ここでも内服薬をもらっていったん帰宅。
処方された薬は、痛み止めに、抗生物質(腐った歯の炎症を和らげる用)が新たに追加。
この抗生物質のおかげで、痛みの発生頻度がだいぶ減った。
かかりつけの歯医者では処方されなかったので、セカンドオピニオンの重要さに気づく。
かかりつけの歯医者さんとセカンドオピニオン先の歯医者さんの意見の違い
実は処方薬以外にも、かかりつけの歯医者さんとセカンドオピニオン先の歯医者さんでは、細かい点で意見に差がありました。
■処方薬について:
・片方は「痛み止め」のみ。
・片方は「抗生物質と痛み止め」。
■診断について:
・片方は「親知らずは抜かないで、様子を見ましょう(神経と密接しているため。障害が残る可能性があるため)」
・片方は「親知らずも腐った歯も抜いて、原因を完全になくしましょう」
■親知らずについて:
診察の中で「埋没した親知らずって生えて(伸びて)くるんですか?」という質問をしたところのそれぞれの回答。
・片方は「生えてくる。40歳以降でも生えることがある」
・片方は「埋没している親知らずの場合は、基本的に成人してからは生えてきたり、伸びてくることはない。動く事もない。」
(あれ ... 動くこともないってことは、そのまま埋めておいてもよいのではとも思ったが ... )
まとめ & 続きます
親知らずが急に痛み出し、寝る時も痛み止めなしではいられなくなり、ついに抜歯を決意した筆者。
2つの歯医者さんの診断では「腐った歯はとりあえず抜いて、入れ歯にしよう」という見解では一致。
しかしながら、できれば入れ歯には(費用の面でインプラントにも)したくない。
そして、かかりつけの歯医者さんからは抜歯はやめておいたほうが良いかもしれないといわれた、「難しい親知らずの抜歯手術」はどうなるのか。
次回へ続きます。
※続き(第2話)の記事はこちらから 親知らずの抜歯の体験談【第2話・筆者実録】